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決算分析の事例 第6回サッポロビールホールディングス 増収と赤字の減少

  サッポロビールホールディングスの2023年1月1日~2023年3月31日の第1四半期決算について分析してみたいと思います。

 まずは、損益計算書上の「売上収益」と各種損益は以下の通りです。サッポロビールホールディングスは、IFRSで決算しています。

 「売上収益」が増えていて、売上総利益は増えて、各種損失も減っています。その他の包括利益が減っているので、包括損益は、前期は黒字でしたが、当期は「包括損失」が計上されています。

 損益計算書上の損益について売上収益に対する比率で見てみましょう。1行目の「売上収益」に対する2行目の「売上総利益」の比率は以下の通りです。

 「売上収益」に対する「売上総利益」の比率は上昇していることが分かります。

次に、「売上収益」に対する3行目の事業利益の比率を見てみましょう。IFRS決算の会社は、通常は、この事業利益は、IFRS決算の会社は算定・公表していません。この事業利益とは、「売上収益」から売上原価と販売費及び一般管理費を引いて算定されます。すなわち、日本基準による「営業損益」に相当します。したがって、日本基準による決算の企業の営業損益と比較する場合、この事業利益と比較する必要があります。

 ちなみに、IFRS決算の会社も「営業損益」を算定・公表していますが、IFRS決算の会社の「営業損益」は、日本基準による「営業損益」とはその内容が異なるので、比較しても意味がありません。

 「売上収益」に対する事業損失の比率は、以下の通りです。

 損失の比率なので、カッコを付けています。損失は減っているので、この比率が下落しています。

 続いて、「売上収益」に対するIFRS決算の営業損失の比率を見てみましょう。

 IFRS決算の営業損失も減っているので、この比率も下落しています。

 続いて、四半期損失の比率を見てみましょう。

 「この比率も下落しています。

 次に、キャッシュフロー計算書を見てみましょう。次の表は、各活動によるキャッシュフローの組合せと企業の状況を表しています。

 サッポロビールホールディングスの各活動からのキャッシュフローは以下の通りです。

 

 前期は、財務活動によるキャッシュフローの黒字、つまり借金の増大により営業活動によるキャッシュフローの赤字を埋め、さらに投資活動によるキャッシュフローの赤字、つまりビジネスの拡大に充てています。足りない分は、「現金及び現金同等物の残高」を充てています。

 当期は、営業活動によるキャッシュフローの黒字と財務活動によるキャッシュフローの黒字、つまり借金の増大を投資活動によるキャッシュフローの赤字、つまりビジネスの拡大に充てているのが分かります。足りない分は、「現金及び現金同等物の残高」を充てています。