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決算分析の事例 第22回ソフトバンクグループ(その3) 税引前損益の黒字転換、一部損益の赤字の減少

 ソフトバンクグループの2023年4月1日~2023年12月31日の第3四半期決算について分析します。

 まずは、損益計算書上の「売上高」と各種損益は以下の通りです。ソフトバンクグループは、IFRSで決算しています。

 「売上高」が増え、「税引前損益」は黒字転換していますが、下の2項目は赤字です。

 損益計算書上の「四半期損失」について「売上高」に対する比率で見てみましょう。

 「売上高」に対する「四半期損失」の比率も下落していることが分かります。次に、各種損益計算書項目と資本合計を見てみましょう。 

 「持株会社投資事業からの投資損益」は、前期黒字でしたが、今回は赤字です。「SVF事業からの投資損益」以下の2つの項目の赤字は縮小しています。税引前利益は先ほども見たように黒字に転換しています。四半期包括損益は、前期、当期、黒字が増えています。

 「資本合計」に対する「SVF事業からの投資損失」の比率は、以下の通りです。

 前期の5割近い損失が、比率で見ても当期は相当減っています。

 続いて、「資本合計」に対する四半期包括損益の比率を見てみましょう。

 前期と比べて、当期は比率も上昇しています。

 キャッシュフロー計算書を見てみましょう。次の表は、各活動によるキャッシュフローの組合せと企業の状況を表しています。 

 ソフトバンクグループの各活動からのキャッシュフローは以下の通りです。

 前期は、営業活動によるキャッシュフローの黒字、投資活動によるキャッシュフローの黒字、つまり、投資資産の売却による資金を財務活動によるキャッシュフローの赤字、つまり借金の返済に充てています。

 当期は、営業活動によるキャッシュフローの黒字では、投資活動によるキャッシュフローの赤字、つまりビジネスの拡大と財務活動によるキャッシュフローの赤字、つまり借金の返済には足りないので、「現金及び現金同等物」の残高を充てているのが分かります。