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決算分析の事例 第18回東芝 減収と一部損益の赤字

   東芝の2023年4月1日~2023年6月30日の第1四半期決算について分析してみたいと思います。東芝は、米国基準で連結決算を行っています。

 まずは、損益計算書上の「売上高」と各種損益、および資本合計は以下の通りです。なお、左の資本合計は、2023年3月31日時点、右の資本合計は、2023年6月30日時点の数字です。

 「売上高」は減っています。営業損益は、前期赤字だったものが当期黒字になっていますが、その他の損益は前期黒字だったものが、当期は赤字です。

 損益計算書上の損益について「売上高」に対する比率で見た方が分かりやすいので、計算してみましょう。1行目の「売上高」に対する2行目の「営業損益」の比率は以下の通りです。

 前期は赤字だったので、カッコを付けています。

 次に、「売上高」に対する3行目の「持分法による投資利益」の比率を見てみましょう。まず、「持分法による投資利益」については、下図に示すように、関連会社(B社)が利益を計上したとき、A社は、その利益額に対する持分相当額だけ貸借対照表に借方記入するとともに損益計算書の「持分法による投資損益」に計上します。

 「売上高」に対する3行目の「持分法による投資利益」の比率は、以下の通りです。

 この比率は当期が赤字だったので、カッコを付けています。

 続いて、「売上高」に対する「四半期純損益」の比率を見てみましょう。

 この比率も当期は赤字だったので、カッコを付けています。

 次に自己資本に対する包括損益の比率を見てみましょう。包括損益とは、下図にあるように、期首と期末の純資産の増減額です。東芝は、米国基準のため、期首と期末の「資本合計(自己資本)」の増減額となります。

 そこで、包括利益については、売上高に対する比率ではなく、「資本合計(自己資本)」に対する比率を計算します。

 この比率も当期は赤字だったので、カッコを付けています。

 次に、キャッシュフロー計算書を見てみましょう。次の表は、各活動によるキャッシュフローの組合せと企業の状況を表しています。

 東芝の各活動からのキャッシュフローは以下の通りです。

 前期も当期も、営業活動によるキャッシュフローの黒字を投資活動によるキャッシュフローの赤字、つまりビジネスの拡大と財務活動によるキャッシュフローの赤字、つまり借金の返済に充てているのが分かります。余剰については、「現金及び現金同等物の残高」がその分増大しています。