農林中央金庫の2023年4月1日~2023年6月30日の第1四半期決算について分析してみたいと思います。
まずは、損益計算書上の「経常収益」と各種損益は以下の通りです。
「経常収益」は減っていますが、各種損益は増えていて、減収・増益です。損益計算書上は、減益とはいえ黒字です。一方、包括利益計算書上の包括損益は、前期、当期とも「包括損失」が計上されています。
損益計算書上の損益について経常収益に対する比率で見た方が分かりやすいので、計算してみましょう。1行目の「経常収益」に対する2行目の「経常利益」の比率は以下の通りです。
減収・増益のため、「経常収益」に対する「経常利益」の比率は大きく上昇していることが分かります。
次に、「経常収益」に対する3行目の四半期純利益の比率を見てみましょう。
この比率も大きく上昇しています。
続いて、貸借対照表上の「有価証券」、「その他有価証券評価差額金」、純資産を見てみましょう。
「有価証券」の額が8億円近く増え、「その他有価証券評価差額金」のマイナスも大きくなっている一方、純資産が減っています。
次に純資産に対する包括損失の比率を見てみましょう。包括損益とは、下図にあるように、期首と期末の純資産の増減額です。
そこで、包括損益については、売上高に対する比率ではなく、純資産に対する比率を計算します。
「包括損失」の比率なので、カッコを付けています。純資産が減る一方で、包括損失も減っているため、比率は大きく下落しています。